2014-02-01

2013年11月~2014年1月,いくつかの展覧会,「植田正治とジャック・アンリ・ラルティーグ」展など

 少しく時間ができて,見に行った展覧会などいくつかの事柄を書き留めておかなかったものが気になってきました。忘備録的に。

 2013年11月,東京国立博物館東洋館で「特別展 上海博物館 中国絵画の至宝」展。五大・北宋から明清にいたる中国絵画の流れをたどる「中国美術の教科書」(展覧会チラシより)さながらの展示でした。とりわけ心に響いたのが清代の八大山人(朱耷:しゅとう)の花鳥図。筆の運びの線と余白の美しさがいつまでも残像として残ります。随分と前のことになるけれど,金沢のアンティーク・フェルメールで店主の塩井さんに八大山人の美しい画集を見せてもらったことなど思い出す。
 
 2013年11月,東京都写真美術館で「植田正治とジャック・アンリ・ラルティーグ」展。2014年1月にも再訪。その名の通り,日本とフランスの二人の写真家のそれぞれの仕事が時代を追って網羅的に紹介された展覧会です。なぜこの二人の組み合わせ?と思ったけれど,図録やHPに詳述されている解説を待たずとも,「写真であそぶ」という副タイトルを念頭に会場を一巡して思わず喝采を送りたくなる。「写真であそぶ」は「写真を生きる」ということでもあるのだなあ,と感じた次第。
 2013年11月,東京国立博物館で「京都 洛中洛外図と障壁画の美」。あまりの混雑ぶりで,龍安寺の4K映像がきれいだった,というのは展覧会を見に行ってどういう感想だ?と一人つっこみ。
 
 2013年12月,同じ東京都写真美術館で「須田一政 凪の片」展。「風姿花伝」で有名な写真家の,最新作「凪の片」シリーズにはっとします。タイトルの意味は,彼岸と此岸の間の,風の止まる一瞬の集積ということらしい。この写真家にとって,シャッターを切る瞬間は時間の「凪」なのか。ずっと「凪の片」という言葉を考えながら会場を廻りました。
 
 ほかに2013年12月,東京オペラシティアートギャラリーの収蔵品展「聖と俗」展では久しぶりに難波田龍起の油彩を観る。抽象絵画だからこその「聖性」としてそこにある青い画面を前に,思わず時間を忘れます。ケーテ・コルヴィッツの小品,船越保武のブロンズ。

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